2012年度春季学術大会HELICSチュートリアル
 第1部「医療情報を二次利用するための標準化」
 第2部「医療情報標準化の国際動向」
(2012年/平成24年5月31日 函館国際ホテル・青柳)

 講演内容の概要 (PDF)

第16回日本医療情報学会春季学術大会(シンポジウム2012 in 函館)に併設してチュートリアルを開催しました。

≪開催概要≫
日時: 2012年5月31日(木) 13:00~15:00
場所: 函館国際ホテル・青柳(第16回日本医療情報学会春季学術大会B会場)
主催: 医療情報標準化推進協議会(HELICS協議会)
参加費: 無料(春季学術大会の参加登録がなくても入場・参加可能)

●概要
 HELICS協議会では、医療情報システムの相互運用性を確保すべくメッセージ交換規約や情報の内容を記述するコードを中心に、指針の策定を行ってきた。HELICS協議会で策定した指針は厚生労働省標準規格にも認定され、地域連携のためのゲートウェイ構築のための仕様(SS-MIX2)にも採用されている。また、SS-MIX2は地域医療再生計画や厚生労働省、経済産業省、総務省が進める実証事業に採用されている。
 これらの事業では、標準規格は特定の患者の診療情報を交換するために利用されている。一方で、標準化された医療情報は複数の病院から収集することが可能になったことから、医療情報の二次利用も始まっている。その代表格が厚生労働省、医薬品医療機器総合機構が進める日本のセンチネルプロジェクトである。ここでは市販された医薬品の副作用をいち早く把握する仕組み作りが行われている。その根幹となるものは標準化された医療情報を格納するデータベース(SS-MIX2標準化ストレージ)で、標準化されたデータであるために異なる医療機関のデータと統合して解析することが可能となっている。
 このためのシステムを構築する過程で、標準規格を実際に適用する場面での問題も持ち上がってきた。臨床検査結果は測定法や試薬によって検査値が異なるため試薬まで含んだコード化(JLAC-10)が必要であるが、このコード化が容易でないことである。
 そこで、今回のHELICSシンポジウムでは、第一部で二次利用に焦点を当て、標準コードの現状と課題と臨床研究のための標準化の現状を紹介頂くこととした。また、第二部では、国際標準化の舞台でどのような標準化が行われているか、HELICS協議会の進むべき方向を探る意味で解説頂く。

●プログラム

第1部「医療情報を二次利用するための標準化」(13:00-14:10)
司会:篠田 英範(HELICS協議会広報委員長)

1.「日本版センチネルプロジェクトにおける標準化の課題:JLAC-10の場合」
   配布資料(PDF)
   康 東天(九州大学教授)

2.「医療情報を臨床研究で使うための標準化:
   CDISC(EHR4CR:EHR for Clinical Research等)」
   豊田 建(HELICS協議会広報委員会)

第2部「医療情報標準化の国際動向」(14:10-15:00)
司会:豊田 建(HELICS協議会広報委員会)

1.「ISO/TC215の最新動向」
   岡田 美保子(川崎医療福祉大学教授)

2.「CIMI(Clinical Information Model Initiative)について」   配布資料(PDF)
   稲岡 則子(HELICS協議会標準化委員会)